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フィギュアスケートを外野から楽しむ&応援するための会


by carthaginois
 今年のヨーロッパ選手権は、今シーズンのNHK杯に登場した3選手(コストナー選手、マイヤー選手、レピスト選手)が1,2,3位と表彰台にあがり、そして展開も、コストナー選手ショート1位、マイヤー選手フリー1位、僅差でコストナー選手が逃げ切り総合1位と、NHK杯に似た展開となりました。

 コストナー選手1位マイヤー選手2位は昨年と同じ、スルツカヤ選手が去った後、新ヨーロッパ女王として定着しつつあるコストナー選手に、あとわずかのところでおよばないマイヤー選手。
(参考までに両選手が一緒だった最近の大会の結果) ↓

 2007年ヨーロッパ選手権 コストナー1位(174.79) マイヤー2位(171.28)
 2007年世界選手権     コストナー6位(168.92) マイヤー7位(160.80)
 2007年NHK杯       コストナー1位(164.69) マイヤー2位(163.17) 1.52差
 2008年ヨーロッパ選手権 コストナー1位(171.28) マイヤー2位(169.44) 1.84差

 マイヤーファンの私!としては、ショートでのジャンプミスが響き、寸前でユーロ初優勝できなくて、残念!ただ、フリー演技の出来が、NHK杯の時に比べて格段良く、今シーズンベストの出来だったので、そのような演技を見れたのがとてもよかったです。

”マイヤーファンの私”とつぶやきましたが、昨シーズンあたりから徐々に“マイヤー選手いいなぁー”というのが私の中で高まってきていて、現役の外国人選手の中では、今一番応援したい選手なのですが、その大きな要因の一つが、彼女が日本人作曲家の曲をプログラムで使用してくれている、それが嬉しく、また彼女がその曲を素敵に表現してくれている、それがまた嬉しく、そして日本にも度々来て滑ってくれているというのも重なって、なんだか肩入れしたくなる、ということなんだと、ちょっとミーハーな理由ですが、そうなんだと思います。まあどうでもよいことなんですけど………

 昨シーズンは、フリーの中間パートで、久石譲さんが作曲した「菊次郎の夏」の映画音楽を使用していましたが、これが叙情性あふれるメロディに乗って、暑くのどかな思い出いっぱいの夏を懐かしく感じさせるような、そんな季節感が伝わってくる演技で、見ていると心がしっとり潤う、そんなすがすがしさに満ちた見事なコラボレーションでした。
2006スケート・アメリカでの映画音楽「プライドと偏見」&「菊次郎の夏」によるフリー・プログラム
Sarah Meier 2006 Skate America LP (youtube)


 そして今シーズンは、フリー全面的に、日本人作曲家の曲を使用してくれているのがまた嬉しい。この新実徳英さんという現代音楽の作曲家の名前、私、マイアー選手を通して初めて知り、はじめてその音楽を意識して聴きました。そういった意味で、紹介者となってくれた、マイヤー選手と振付師の先生か誰かこの曲を選んでくれた方に、お礼を言いたい気分ですね。
新実さんのヴァイオリンとピアノの2重奏のための、「黒いラフォリア」「紅の秋」という曲を使用しているみたいですが、フィギュアスケートのプログラムとしては表現が難しそうな、ごくシンプルで静かな美しさを讃えた音楽を、マイヤー選手、音符と音符の間の空間を埋めるべく、暗闇から何かが浮かび上がってくるような、または雪の降り積もった中でポッと咲いている可憐な花の花びらを思わせるような演技で、その個性が光っているなと思いました。
世界選手権でショート、フリーともども、彼女の一番良い演技を見ることが出来たらいいなぁとひそかに応援してます。
今年のヨーロッパ選手権でのフリー1位のマイヤー選手の演技
Sarah Meier 2008 Euro LP (youtube)

  
# by carthaginois | 2008-02-05 05:41 | その他競技会

2008全米選手権

フィギュア王国が完全復活に向けてのろしを上げた!
全米選手権女子の結果には、シーズン最大のセンセーショナルな衝撃度でもって、OTTAMAGE させられました。

日本でも欧州でもカナダも、女子については上位顔を揃えるメンバーがやや固まりつつあるかなぁという潮流の中にあって、米国は今まさに、新旧混戦、強力ジュニア世代からシニア世代への下克上で、戦国時代真っ盛り!!
そしてこれから、日本アジア黄金時代を覆すべき、帝国からの逆襲の立役者となるべき、中心に君臨しそうな最大の有力者が、我らのというべきか、かの国の至宝というべきか、14歳長洲未来嬢であるというのは、運命の悪戯というか面白いなぁーと思いました。

昨年は、海のものとも山のものとも分からない全くの無名の存在で、いきなり出てきて全米ジュニア優勝、そして今年は、シニア初参戦でアメリカ・ナンバーワンに。年ごとにNAGASUの名をBIGにしてきて、このまま2年後のバンクーバーまで、トントン拍子ステップ・アップでひとっ飛びもふたっ飛びもしてしまいそうな、底知れない勢いがありますね。

彼女に優勝を導いた、底抜けに明るい「アイ・ガット・リズム」によるショートのPOPな出来映えは、スピード感溢れ愉快痛快爽快!、長洲ここにありといった感じで、全米チャンピオンにふさわしい顔を持っている決定版クラスの演技に思えました。
Mirai Nagasu 2008 US Nationals SP (youtube)


長洲選手は、会心の出来だったショートも、ジャンプ転倒があったフリーも、演技構成点(PCS)が参加選手中最高得点を獲得、審査員評価の高さが、大型選手として、アメリカでの期待の大きさを感じさせます。

今回の全米選手権、フリーは、総合2位レイチェル・フラット選手(15歳)、3位アシュレー・ワーグナー選手(16歳)、4位キャロライン・ジャン選手(14歳)が皆、3回転ー3回転のコンビーネーション他ほぼノーミスの演技、長洲未来選手(14歳)選手は最初のダブル・アクセル転倒ほかはノーミスと技術レヴェルの高い試合となりましたが、このパワーフル新興勢力4人組のうち、まだワーグナー選手ひとりしか、年齢制限のため3月の世界選手権出場資格をもっていないというところが、アメリカ関係者にとっては痛いところ、きっと歯がゆいところなんでしょうね。

昨年の敵地東京での世界選手権では、マイズナー選手4位&エミリー・ヒューズ選手9位→13ポイントで、ぎりぎり次の年の選手枠3枠を確保、今年のワールド3代表は、全米3位ワーグナー選手、5位リャン選手、7位マイズナー選手となったようですが、来年の世界選手権は地元カリフォルニア開催という、アメリカ復権宣言絶好の機会を前にした大事な年、本来先頭に立つべき一番実績のあるマイズナー選手は、昨年末ファイナルから絶不調の谷に落ち込んでしまったようだし、繰上げ当選みたいな形で初出場が決まったリャン選手にはあまり順位を期待できなそうな感じだし、エリック杯でも表彰台に上がった今回3位ワーグナー選手は調子良さそうで健闘しそうだが、初出場で世界の強豪の中でどう位置づけられるか未知数ということで、いったいぜんたい3枠確保出来るのでしょうか???

この時機、2番手として戦力になりうるエミリー・ヒューズ選手のでん部怪我欠場が、(個人的にも、このシーズンの彼女に妙にマッチしたフリー「カルミナ・ブラーナ」、悪夢に出てきそうな地獄の門番に雇われた火の舞姫の怪しい誘惑の踊り??????といった感じのダイナミックな演技(エミリーはん、もしこれを読んでいなさったら(読んでいるわけないけど)こんなこつ言ってしもうて堪忍どすえ~~怒らんといて!閻魔さんに告げ口せんといて!!)が、妙に気に入っていたので)残念です。
スケート・カナダでの「カルミナ・ブラーナ」の演技-------------------------→ ↓   ↓   ↓
Emily Hughes 2007 Skate Canada FS (youtube)



来シーズンは、アマチュア生活を2年間欠勤していたコーエン選手が“サーシャ、カムバック!!!!!”、競技場に戻ってくる、戻ってこない、戻ってくる、戻ってこない、なんて話もありますが、そうなるとさらにアメリカ国内は混戦、来年、そしてオリンピック・イヤーの再来年は世界で一番の大激戦となりそうで、その中から誰が飛び出してきて世界頂上制覇に挑むのか、ぐんぐん成長を続け、評価もウナギのぼりの強力ジュニア世代を引っさげて、フィギュア大国の王位奪還の歩みは、今始まったばかりといった印象を鮮明にアピールした今回のエキサイティングなアメリカ国内選手権でした。

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ペアーを組むジョン・ボールドウィン選手が、長年苦楽を共にしてきたパートナー井上怜奈選手に、フリーの演技後、氷上結婚プロポーズしたとのこと。異人さんは粋やなぁ~さまになってはるし、映画の一シーンのようでんがなぁ~、ということで、めでたしめでたし………
# by carthaginois | 2008-01-29 17:11 | その他競技会

全日本選手権2007

1年の締めくくり年末のこの時期、熱く繰り広げられた夢の饗宴に、たっぷり堪能させられました全日本選手権。

毎年ながら全日本を見るとき、フィギュアスケートファンとしては、つくづくこの時代に、この日本に、生まれてよかったなぁと思わされます。
巨星が去っていっても、また新たに彗星が出現したり、復活したりと、依然豊かに咲き誇りつづける選手層の厚さは、本当に壮観、贅沢やなぁと、、、、、

トップ3表彰台に立った浅田真央選手、安藤美姫選手、中野友加里選手(お3方、世界選手権代表決定、おめでとうございます!)はもちろんのこと、太田由希奈選手、鈴木明子選手、そして村主章枝選手……その他にもたくさんのそれぞれ個性あふれる名花たちが揃っている、まさしく百花繚乱、その多様性が素晴らしいですね。

きっと、この舞台に立つまでの、ひとりひとりの知られざるドラマが、それぞれの演技を色濃く彩っている、そこには採点された点数だけでは計りきれない、感動の粒が、希望の種が、2度と戻らない青春の汗が生々しく痕跡を残す、ブレードで刻まれた氷の透明な層の下にたくさん埋まっている。その発見の喜び…

スケーターの方々の、向上心をもって努力する姿勢には、いつもながら学ばされ、頭が下がる思いがします。


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2007年とももうすぐお別れ、
もし、個人的感想をつらつら書き連ねたささやかなこのブログに複数回訪れてくださった、奇特で有り難いお方が、もしいらっしゃいましたら、感謝感激、本年は誠にありがとうございました。

そしてたまたま偶然にこの文章を目にしてしまった、そんな人も含めまして、
皆みな皆様にとりまして、新しく迎える年が実り多き良い一年になりますように…!!

そして来年もたくさんの感動が味わえますように…
たくさんの笑顔が見られますように…
たくさんの喜びの声を聞くことができますように…
と願いつつ、2007年よ、サヨナラさよならサヨウナラ!!!        by carthaginois
# by carthaginois | 2007-12-29 23:16 | その他競技会